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日々徒然に

日々徒然に

最近劇場で観た映画

「ハンニバル」

 見終わった後、気色悪さだけが残った映画でした。ある宣伝文には、
前作の「羊たちの沈黙」とは全く関係のない新しい映画としてみて欲し
いと書いてありましたが、前作を見ていなかったら三流のホラー映画です。
ストーリーの展開も単純で、ただレクター博士の殺人ゲームの映画でした。
もう一人の主人公クラリスの心理描写も不十分です。
 本当の恐怖というのは、少しずつ目と耳から入ってきた情報が、観客の
頭の中で一つに結実して生まれてくるものだと思います。路上に腸をぶち
まけたり、自分の脳味噌を食べさせるなんてことをしたら、恐怖がそこで
止まってしまい、後味の悪さだけが残ります。
 結局、前作の「羊たちの沈黙」の評価に、おんぶにだっこの映画でした。

「戦火の勇気」

 この映画は、メグ・ライアンのもう一つの魅力を引き出した特筆すべき
作品だと思います。メグ・ライアンといえばラブ・コメディと思われ
がちですが、シリアスな演技も超一流です。この映画の中では回想シーン
だけでしか登場しない彼女ですが、デンゼル・ワシントンを抑えて主役
になっている感じがします。決して出会わない2人の演技がそれぞれに
光る見事な作品でした。
 ただ惜しむらくは、ラストがアメリカ陸軍のCMの様になってしまって
いることです。このシーンには賛否両論あるでしょうが、私はわざとらしさ
を感じました。

「スターリングラード」

 一人の兵士を主人公にした映画としては、先ず合格点だと思います。
 ソ連の軍隊を描くとき、必ず出てくるのが政治局員。命令系統が2つ
あるようで、さぞソ連軍の将校は苦労したことでしょう。ソ連軍が第2
次世界大戦で2千万人以上の死者を出した原因の一つは、スターリンが
「血の粛清」で優秀な将校達を、多数処刑したりシベリア送りにして、
ソ連軍自体が脆弱になっていた為だといわれています。
 政治局員の親玉としてフルシチョフを登場させたのだったら、軍と政治
の関係をもっと深く掘り下げてもよかったのではないでしょうか。ソビエト
はもう無くなったし、ロシアもこの映画に参加しているわけでもないの
だから、客観的にソ連軍のことが描けたのではないでしょうか。

「JSA」

 38度線の緊張というものはこの程度なのかと、いささか拍子抜けして
しまった。鋭いところも多いが、拙さも目立った作品だった。
 また、無意味な死が多いと思った。何故ここで自ら命を絶たねばなら
ないのか。そんな感じだった。
 我々日本人には無意味に思える行為も、38度線で分断された民族には、
それなりの意味があるのかも知れない。今の日本人の感覚では、ちょっと
理解に苦しむ。
「シュリ」は敵味方がはっきりした作品だったが、この「JSA」は、
民族を分断させているのは何かというところに、敢えて踏み込んでい
ない。観客の判断に任せている。
 スイス軍将校に扮したイ・ヨンエの知的な美しさばかりが光る作品だった。

「A.I.」

 全体的に退屈な作品だった。只、最後の2000年後に目覚めてからが
スピルバーグの真骨頂だった。それがなかったら駄作もいいところだ。
この部分にスピルバーグのメッセージがある。それを言いたいのなら
もっと手短に言えばいいだろうと思ってしまう。
 また、こんなストーリーなら、とっくに手塚治虫の漫画に登場している。
その二番煎じといった感じだ。アメリカ人ならともかく、日本人ならこの
ような未来のイメージは持っているのだ。
 また、ロボット狩りをして観客の前で壊すシーンも、以前に未来を
描いた作品に似たようなのが幾つかあった様に思う。
 手塚治虫をはじめとする様々の作家のイメージを、見事に映像化した
点は認めるが、スピルバーグの作品にしてはオリジナリティが無さ過ぎる。

「パール・ハーバー」

 確かに3時間退屈することはなかった。しかし、ラブ・ロマンスと
戦争スペクタクルの両方を欲張ったために、相殺されてしまったという
感じだ。これはラブ・ロマンスの映画だと割り切ってみればよいのだが、
それにしては戦闘シーンが強く長すぎる感じがする。
 戦闘シーンと日本軍の描き方は、30年前の「トラ・トラ・トラ」の
方が上だ。これは、「トラ・トラ・トラ」が日米の合作だったからかも
知れない。

「キャッツ&ドッグズ」

 犬と猫の世界がこの人間中心の世界の中にあるという設定が面白かった
が、私個人としてはなかなか現実を忘れて映画の中に没頭することが出来
なかった。没頭できないのは映画が不完全なためかも知れない。

「ムーラン・ルージュ」

 まるで400m競走の様な作品だ。最初から目一杯で飛ばしていた。
この調子でいって果たして2時間余り持つのだろうかと思われた。
しかし、それは取り越し苦労だった。ストーリー展開と映像の奇抜さで
観客を飽きさせない。久々に秀作を見たという感じである。
 この映画で、ニコール・キッドマンは一皮剥けた感じである。次回作
以降が楽しみだ。また、ユアン・マクレガーも朴訥とした青年と、語り部
としての悲しみを抱いた雰囲気を上手く演じ分けていて、さすが現在の
イギリスを代表する俳優だなという感じがした。

「ハリー・ポッターと賢者の石」

 待ちに待った作品とあって、見る前から力が入った。しっかりした
原作があるので、それに沿って作られており飽きないで見られた。特撮
が随所に取り入れられていて、自分があたかも映画の中にいるかのような
錯覚に陥りそうになる。特に、箒に乗ってゲームをやる場面は現代の特撮
技術が大いに使われていた。

「オーシャンズ11」

 導入部分は変わり映えもなく、つまらない映画かと思えたが、その
うちに時間を忘れてしまうほど映画の中に引き込まれていった。CG
全盛の時代にあって、役者の演技による芝居を久し振りに堪能した。
これだけのスターを集めた作品では、案外詰まらないものになりがち
だが、監督が各スターの演技に任せて、自分の映画だと力まずにさらっと
作っているから、おのおのが生きた演技をしている。人間は深くは描か
れていないが、これはあくまでもスリルを楽しむ映画だからいいだろう。

「ロード・オブ・ザ・リング」

 アカデミー賞の各部門にノミネートされているので、凄い映画だろう
と思っていった。ニュージーランドで撮影したという自然の風景は雄大
そのものだった。現実離れした世界を描くにはもうニュージーランドぐ
らいしかないのだろう。
 大まかなあらすじを知っていないと、ちょっと分かり難い。欧米では
有名な物語だろうが、日本では余り知られていないので、ハリー・ポッター
ほどの人気が出るかどうかは分からない。
 登場人物の主人公とおぼしき人物よりも、脇を固めている俳優の方が
名優ばかりである。主人公がそれに飲まれているといった感じだ。第2
作目以降で盛り返しがなるかどうかである。

「エネミー・ライン」

 思った通り、アメリカ軍を前面に押し出し、上からの圧力に一度は屈
しながら、結局は助けに行くというお決まりのストーリーだった。
 戦争は惨いものだということをみんなに知らしめているが、アメリカ兵
が殺されたりする場面は、被害者意識丸出しで、こんなひどいことをされた
とばかりに描いているのに、敵を殺すときは、思う存分撃ち殺している。
 これはアメリカに限らず、何処の国でも自国以外の兵士の命は軽く見るものだ。

「陽だまりグラウンド」

 少年野球のコーチというから、ありきたりの人情ものかと思ったら
そうではなかった。主人公のコーチがバスケットボール賭けで危ない
橋を渡っているし、子供達は全部黒人で、住んでいる地域も怖いとこ
ろときていた。こんなところがまだアメリカにもあったのかと思った。
 競演のダイアン・レーンは、案外と出番が少なく、やや期待はずれ
だった。

「アザーズ」

 ラストがあっと驚く展開だった。そういう布石が思い起こせば随所に
あったのだが、気がつかなかった。「シックス・センス」を思い出させ
るような終わり方だった。やはり外国でも霊が迷うというか、死んでは
いないと勘違いするものらしい。
 ニコール・キッドマンが一人芝居のような感じで、名演技だった。
「ムーラン・ルージュ」以来、演技に開眼したようだ。

「スパイダーマン」

 映画の出来としては、平均点を少しクリアした作品だった。主人公が
体が変わってしまったことについての苦悩が描かれておらず奇異に感じ
る。本当なら、蜘蛛人間になったのだからもっと深い失望があり、そこ
からはい上がっていく姿が描かれていてもいいはずだ。好きな女性のた
めだけに生きていくというのも少し変だ。「大きな力を持つものは、大
きな責任がある」という言葉だけが一人歩きしたような作品である。

「パニックルーム」

 一軒の変な作りの家での一晩の恐怖の話であったが、途中で眠くなる
ような内容だった。それだけインパクトに欠ける物語だったのだろう。
何故、評判がいいのかよく分からない。
 登場人物が怖がってみせる映画というのは、案外つまらないものだ。

「突撃!あさま山荘事件」

 現実の事件、しかもまだ記憶に残している人たちの多い事件を扱うと
いうのは、難しいものだ。特に、警視庁と長野県警の確執がよく描かれ
ているが、長野県警部長がドテラをきて朝食を取ったり、事件の最中に
トイレに行くといったことは事実ではあろうが、現在も本人が存命中
だったり、もし亡くなっていても遺族の方が見たら不快に思うのでは
ないだろうか。
 佐々さんが主人公であり、佐々さんの著作を元に作っている映画だ
から、佐々さんが格好よく描かれているのは仕方がないと思うのだが
釈然としない。
 しかし、当時の警察内部のことがよく解り興味深い。芸術としての
映画としては、平凡だった。

「ザ・ワン」

 ジェット・リー主演のカンフーものだったが、映画の内容があまりに
も突飛過ぎる。突飛な内容なら、もっと脚本をしっかりと書いて、カン
フーなど入れなくていいから、じっくりと描いてほしかった。
今まで見た映画では最低のランクの映画だ。なぜ、タイムとラベルの映画
にカンフーが必要なのか、まったく理解できない映画だった。

「ニューヨークの恋人」

 久々に粋な映画を見た思いだ。やはりメグ・ライアンは、ロマンチック・
コメディの女王だ。ニューヨークを舞台にした時間を越えた恋愛映画であ
る。19世紀からやってきた貴族が名演技である。脇役人もしっかりと固
め、ほぼ完璧な映画だった。「ティファニーで朝食を」を思わせるような
ニューヨークのアパートが舞台だった。後半で、「ムーン・リバー」の音楽に
載せて「ティファニーで朝食を」という映画をメグ・ライアンに語らせて
いる。「ティファニーで朝食を」からムードをいただいたことを暗に認めて
いた。やはりオードリー・ヘップバーンの後継者は、メグ・ライアンである。

「メン・イン・ブラックⅡ」

 全くの架空の話だから思いっきり滅茶苦茶に作ってあるので、観る方
も文句なく笑える。ウイル・スミスはこういう喜劇が適役のようだ。
一方のトミー・リー・ジョーンズが真面目な顔をして演じているのがいい。
あのミミズの化け物のような生き物が夢に出てきそうである。

「サイン」

 前評判の高い映画だけに、1週間早く先行ロードショーに行った。
やはり、日本人とアメリカ人の宗教観の違いだろうか、全然面白くな
かった。特に最後の辺りに宇宙人が出てきたので、子供の宇宙大戦争的
な映画になった。

「バイオハザード」

 最近になって久しぶりに展開の早い活劇を見た。しかし、ゾンビが
出てきてオリジナリティが一気に崩れた感じだ。
結局、良くできた優等生的な無難な作品になってしまった。

「クイーン・オブ・ザ・バンパイア」

 ホラーなのかロックの映画なのかよく分からなかった。
欲張ったので、どっちつかずの映画になったようだ。

「ロード・トゥ・パーティション」

 親子の情愛が巧みに描かれていて秀作だった。ちょっとつくり過ぎか
なと思わせるところもあったが、久しぶりにじーんと来る映画だった。
恐らく来年のアカデミー賞を取るだろう。ポール・ニューマンがあまり
に老けていたので驚いた。もうすっかり老人である。「明日に向かって
撃て」の頃の面影はない。

「トリプルX」

 文句なしに面白い映画だった。ヨーロッパのプラハを舞台にしていた
ので、風景が美しかった。また、雪山での雪崩の前をスノーボードで逃
げるシーンも迫力満点だった。有名なスターが出ていない分、制作費に
回せたという感じである。

「マイノリティー・リポート」

 50年後の世界を描いている。車や警官の移動手段はSFもどきなの
だが、新聞が投げ込まれたりといった普通の生活は現在と代わりがな
いのにちょっと不思議さを感じた。
 話としては面白いが、3人の超能力者の力を借りてその組織を運営
していると言うところに違和感があった。ここはもっと科学技術の力で
何とかして欲しかった。結局、最後に人の未来を予見して逮捕するなど
いけないことだと言っているが、最近のスピルバーグ監督の作品は、
こういう道徳的なことを押しつけているような気がする。これは全作の
「A.I」と同じだ。
 また、この作品の中で、トム・クルーズが乗っている車は、「A.I」で
出てきた車と同じように見える。恐らく、色だけ変えての登場だろう。
車輪が大きい特徴のあるフォルムだ。

「ハリー・ポッターと秘密の部屋」

 今回は本を読んでいったし、監督も前回と同じで、しかも出ている
俳優たちも同じだったので、話は面白いけれど、ただそれだけのことで
あって、目新しい面白さというものがなかった。



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